グラインダの取扱い方法
グラインダで砥石を使用する場合には、回転数を周速度に換算した値(基礎知識Ⅴ)以上の最高使用周速度の砥石を取り付ける必要があります。
また、電源電圧とグラインダの電圧が合致していることを確かめてください。
グラインダのモーターには下記に示すように、いくつかの種類があります。
交流直巻電動機(シリースモーター)の場合、100Vのグラインダを200Vの電源に差し込むと回転速度が2倍になり、砥石の破壊につながります。
名称 | 特長 | 注意点 |
---|---|---|
誘導電動機 | ・構造が簡単、丈夫で長持ち。 ・回転速度Nは周波数fに比例し、局数Pに反比例する。 N(rpm)=120×f(Hz)/P |
・2極モーターは4極モータの2倍の回転速度である。 ・50(Hz)と60(Hz)では20%回転速度が異なる。 |
交流直巻電動機 | ・モーターの回転が高い ・回転速度は、電源電圧にほぼ正比例する。 |
・100V仕様のモータを200Vで使用すると回転が2倍になる。 |
砥石の取り付け方
砥石を取り付ける際には、メーカー純正のフランジを使用する必要があります。
オフセット形砥石用フランジは、オフセット形砥石専用のフランジで下記の2種類があります。
高速度用/普通速度用
主として輸出用がほとんどであり、一部高速用を除いては国内ではあまり使用されていない。
オフセット形といしのオフセット部(凸形の部分)を包み込むことで、オフセット形といしの回転強度や側圧強度を保持する効果がある。
普通速度用
現在では普通速度の国内用のほとんどがこの形であり、取付けではオフセット部の穴径付近のみを締め付ける。
取り扱いは簡単であるが、安全性が「高速度用/普通速度用」の形状のフランジより劣るため普通速度にのみ用いられる。
注意点
- フランジの金属やゴムの部分がすり減っているものを使用すると、使用時に砥石が振れることがありますので、注意が必要となります。
- フランジのひずみ、さび、異物の付着なども、正常な接触を妨げるので注意してください。
- 砥石の取り付けは、一定の力で締め付けることと同時に、締め付け力が過大であってはいけません。
研削作業について
- 砥石と加工面の角度は、15°~30°が適当です。(角度が低すぎると外周部上面飛散の可能性があります。)
- 新しい砥石を使用する際、はじめはグラインダを手前に引きながら研削しましょう。(深く食い込む恐れがあります)
研削作業を安全、かつ効率よく行なうためには、グラインダの正しい取扱いや、砥石の正しい取り付け方が非常に大切です。
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